効果的なオイル交換スパンについて

オイル交換の時は、”フィルターも交換して極力廃油を絞り出したい!”と思うのが人間の心理です。

しかし、ここで ”ちょっと待った!”と異論を唱えたいと思います。

エンジンは機械なので、心理は全く通用しません。機械に対してはすべて理論的に考えなければなりません。

輸入車の純正オイルフィルターは、純正ロングライフオイルを前提に設計されいるため、耐久性は10000km以上あります。

(ただし社外品はこの限りではない。)

心理に従ってオイル交換すると、フィルターはまだ十分使えるのに捨ててしまう事になります。

オイルフィルターは工賃まで入れるとかなり高いので、もったいないですね。

そこで、オイル交換スパンをやや短くし、オイルフィルターを複数回使用します。

具体的には以下のような交換パターンです。

7000kmライフのオイルでフィルター2回プラン

オイルフィルター交換時:6000km

オイルフィルター交換しない時:5500km

5000kmライフのオイルでフィルター3回プラン

オイルフィルター交換時:5000km

オイルフィルター交換しない時:4500km  ×2

(オイルフィルターを交換しない場合は、廃油が10%程度残るため、その分だけ交換スパンを短くすれば良い。これが理論に基づいた合理的な考え方です。)

オイルを寿命いっぱいまで使った場合、最後の1000kmは惰性であり、性能が非常に低い状態であり、乗っていて全く楽しくありません。

またスラッジも大量発生してくるので、エンジンの寿命を縮めている事にもなります。

さらに7000kmライフのオイルでは、1L程度のオイル補充が必要になるでしょう。

オイルフィルターを早めにに捨ててしまうロスと、オイル補充のコストを加味すると、上記のパターンでもほぼ同額になります。

同額だったら気持ち良く乗れた方が良いですよね。

この方法は特にスーパーレーシングで絶大な効果を発揮します。より低粘度に振れるからです。

スーパーレーシングでフィルター2回プランの場合は、5100円 →4900円(税別)に割引致します。

200円も割引になると、通常スパンでの交換よりコストは逆に下がってしまいます。

スーパーレーシングでフィルター3回プランの場合は、5100円 → 4800円(税別)に割引致します。

さすがこの場合は300円割引となっても若干コストアップしてしまいますが、大幅に低粘度化できるため(5W30→0W25)、劇的なパワーアップとレスポンスアップが達成できます。

詳しくはお問い合わせくださいませ。

 

上記パターンは、ついついオイル交換を引っ張ってしまういがち、という方にはフィルター詰まりの危険性があるためお勧めできませんが、交換ステッカー通りに交換して頂ける方には、是非ともお勧めしたいお得な方法です。

”こんなお得な方法があるなら、他でもやっているはずだ!”

と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、まずやっているところはありません。

理由は簡単です。

量販店やカー用品店、整備工場では社外フィルターを使っているので、詰まりが怖くてできないのです。

ディーラー以外で純正オイルフィルターを使っているところありますでしょか?

(私の知る限り、こだわったショップで1店舗だけ見かけたことがあります。)

純正と社外を同じだと勘違いしている方が大半だと思いますが、全く違います。

純正品はメーカーの厳しい公差をクリアして作られた最高品質のものですが 、社外品は公差を緩くしてコストダウンしたものだからです。

具体的に申し上げると、純正品は濾紙の目が均一で強度があるのに対し、社外品はそこまで均一でなく強度も劣る、ということです。

社外品にもピンからキリまであるので、純正を作っているメーカーものであればそれほど酷くない思いますが、純正品が世界最高品質であることだけは間違いありません。

しかし、上記パターンは遠方の方には難しいと思います。

遠方の方の場合は、オイルを少しでも延命させる方法をご提案しております。

それは、

オイル補充の量をできるだけ増やす

です。

オイルを補充すると、性能がかなり復活します。

つまり、補充できる量が多ければ多いほど長持ちさせられる、

ということです。

これを実践するために、当社では具体意的に以下をご提案しております。

具体例

 ・オイル交換時に、入れるオイル量を300cc減らしておく。レベルゲージの真ん中くらい。

 ・5000km走行辺りでレベルゲージのロアレベル少し上になるので、500cc補充。

 ・補充オイルは2ランク粘度を上げ、補充によって粘度を上げて少しでも持たせる。

 ・6500km走行辺りでまた500cc補充。これでアッパーレベルとなる。

 ・それでも8000kmが限界。7500km以降はスラッジが発生してくるので、それ以上引っ張るのはNG。

 

 

 

 

オイルの補充は積極的に行うべき! 大変お得です!

 

  当社では、デモカー4台でオイルテストをかれこれ10年以上続けているのですが、最近特に気づいてきたことが、

高性能オイルほど、オイル補充をするべき!

という事です。

特にパワークラスターのオイルは、超高性能なので、オイル補充しないと大損!

だと感じています。 

 

どういうことかと申しますと、

 

1.まず、一般的なロングライフオイルの場合です。

オイルの性能は、交換した直後または1000km後くらいまでが最高で、その後徐々に確実に低下して行き、6000kmにもなるとザラザラとした回転フィールとなり、油膜が切れかかっているのでエンジンの摩耗が急激に増えて行きます。7000kmまでの最後の1000kmは本当にイマイチで、惰性で走っている感じでしょう。

ところが、5000km辺りでオイルを10%程度補充すると、見事に性能が復活し、新品の50%くらいまで性能が跳ね上がります。そしてザラザラ感も無くなります。きっとエンジンの摩耗もかなり抑えられているでしょう。これはつまり、5万6万と距離を重ねていった時に、エンジンのヘタリが明確に抑えられて行く事を意味します。10万kmも走ると、その差は歴然でしょう。

そして7000kmまで酷いフィーリングにならずに走り切ることができます。

更に長距離使いたい場合は、6500km辺りでまた10%補充すると、8000kmくらいまで何とか走り切ることができます。

 

これだけでも、オイル補充は十分効果的で魅力的だと思われると思いますが、パワークラスターのような超高性能オイルの場合は、さらにこの効果が倍増します。

 

2.スーパーレーシングの5W30の場合。

5000km辺りで10W40を10%補充すると、性能の跳ね上がりが新品の70%くらいまで得られます。

 

3.スーパーレーシングの0W25の場合。

3500km辺りで20W50を10%補充すると、性能の跳ね上がりが新品の80%くらいまで得られます。

 

ここまで効果があると、補充をしないと大損だ!と思われるのではないでしょうか?

 

それでは、何故パワークラスターのような超高性能オイルの場合、オイル補充の効果が倍増するのでしょうか?

理由は以下の2つと考えています。

 

1.摩擦低減の成分が補充されるため

 パワクラのオイルは、摩擦を低減するために、アルキルナフタレンや有機モリブデンなどの摩擦低減剤(FM剤)、金属に吸着するエステルが多量に添加されています。しかしこれらは距離を重ねるに従って消耗して行きます。5000km走行後にはこれらの効果がほとんど無くなっているのではないでしょうか。普通のオイルと同じになってしまっているとイメージしてください。そこに10%新油が入ってきます。FM剤やエステルは少量でも摩擦面に作用するため、潤滑状態が劇的に改善されて、大幅にフィーリングアップするのです。ただし少量なので新品の時のように効果は長続きしません。大体1000kmくらいといったところでしょうか。

 

2.下がっていた粘度が適正に上がるため

 オイルで性能を上げるためには、粘度低減が必須です。粘度を適正に下げなければ、せっかくの高性能オイルの効果も半減してしまいます。当社でオイル交換された方が劇的なパワーアップを感じるのは、この粘度低減を適正かつ厳格に行っているからです。当社では、粘度を下げた場合、絶対に交換時期を守って頂くように、しつこいくらいアナウンスすると共に、守るとかなりお得になる大幅割引プランを設定しています。これによって、私としても安心してオイルの低粘度化を勧めることができています。

しかし最後の1000kmは、油膜切れこそ起こしていないものの、十分余裕を持った粘度ではありません。

距離を重ねると粘度は必ず低下します。ポリマーを全く使用していないノンポリマーオイルでもです。理由はガソリン希釈があるためです。特に最近の輸入車は直噴エンジンなので、従来のポート噴射エンジンに比べてガソリン希釈が増えています。

そこで、後半に10W40や20W50を10%補充して、粘度を一気に新油以上に引き上げます。

後半はエステルが消耗して潤滑状態が悪化しているので、新油以上の粘度が必要になるからです。

これによりオイルの持ちが大幅に上がります。大体2000kmくらいといったところでしょうか。

 

オイルで性能アップするためには、超高性能オイルを使用し、低粘度でスタートし、後半に超高粘度オイルを補充して粘度を上げる。

が鉄則だと考えております。

 

オイル補充が重要だとわかったところで、では実際にどのような手順を踏んで行けばよいのでしょうか?

 

最近のエンジンはオイル消費が以前に比べて極端に少なくなっています。排ガス規制が厳しくなってきたためです。7000km走っても全く減らない場合もあります。全く減らないからと言って喜んでいる場合ではありません。その理由は2つあります。

1.オイル消費が少ない設計は、オイルリングの張力が強く、油膜が掻き落とされてしまっているので、フリクションや摩耗が多くなる傾向があります。以前の3000km/Lも消費していた時代のエンジンと比べると、回転の滑らかさや吹け上がりの軽さは、明らかに劣ってきています。

2.直噴化によってガソリン希釈が増えて、オイル量が増えています。特にチョイ乗りが多い場合はこれが顕著に表れます。この場合、抜いたオイルはかなりガソリン臭く感じます。

 

オイル消費が少ない車の場合、多少工夫しないと10%のオイルを補充することができません。

 

一例を以下に示します。

 

スーパーレーシング5W30で7000km使う場合、

1.オイル交換時に200cc少なく入れる。レベルゲージの真ん中より少し上。

2.5000kmで10W40を500cc補充する。アッパーレベルまでなるべく多く入れる。多く入れるほど効果が上がる。500cc入らない場合、アッパーレベルを2mm程度なら超えても問題ない。

3.7000kmまで快適に走行可能。

 

オイルレベルは、前半中盤のオイルが劣化していないうちは真ん中から低めでOK、後半の劣化してからは極力アッパーレベル付近をキープする、がコツです。

劣化した後半にロアレベルにしてしまっては、フィーリングが悪い上にエンジンの寿命も縮めます。 

 

 

 

オイル粘度について

 

 当社の取り扱いオイルを見て気付いた方もいらっしゃると思いますが、チューニング車用オイル以外は、全て5W30以下の粘度です。

輸入車と言うと5W40や10W40を入れるのが当たり前と思っている方が多いのですが、実はこれはディチューン以外の何物でもありません。

今や純正オイルは全て5W30です。ただし欧州規格の5W30なので、日本規格の5W30と5W40のちょうど中間の粘度ですが。

少し難しい話となりますが、興味のある方は以下をしっかりお読みください。

100℃の動粘度 (mm2/s)                          

 

SAE粘度分類

最低

最高

20

5.6

9.3

30

9.3

12.5

40

12.5

16.3

100℃の粘度は、日本規格オイルの場合、5W30が10.0〜11.0、5W40が14.0〜15.0なのに対し、欧州規格オイル(欧州の純正オイル)の場合、5W30でも11.5〜12.5となります(日本の5W30と5W40のちょうど中間の粘度)。

市場に出回っているのはほとんど日本規格のオイルですから、安全を見て輸入車は5W40となるわけです。

しかし、これが大きな落とし穴で、妥協して5W40を入れてしまうと、重ったるーいエンジンになってしまいます。

燃費も2%くらいは確実に落ちます。損だと思いませんか?

さらに欧州規格オイルは純正ロングライフ規格をパスしているものであれば、日本規格の5W40の約2倍長持ちします。

欧州規格オイルは若干値段が高く見えるかも知れませんが、当社の販売価格ではライフを考慮すると、返ってかなり安くなる筈です。

IMG_0005_100.JPG

なお、当社では超高級オイルのパワークラスタースーパーレーシングやアッシュFSEを使用して、純正より粘度を下げ、パワーアップ&フィーリングアップさせる事も行っております。 

 

 

これらの超高級オイルは、超高価な最高級エステルが多量に含まれており、電気的に金属表面に吸着しますので、0.5〜1ランク粘度を下げられるのです。

ただし粘度を下げる手法は、そのオイルを熟知していることと、何百、何千ものたくさんの経験がなければできません。

お客様ご自身の判断で、一か八かの粘度ダウンは、大変危険ですから行わない方が賢明です。

 

 

 

ブーストアップしたら必ず粘度を上げる

今や欧州車は、ぼぼ全てターボエンジンです。

サブコン等で簡単にブーストアップできてしまうので、お手軽にブーストアップに手を出してしまう方を多数見かけます。

しかし、エンジン設計側の意見として言わせて頂くと、最近のエンジンでのブーストアップは大変危険ですから、絶対にお勧めいたしません。

ディーラーでは、ブーストアップが発覚した場合、オイル交換は断られますよね。また、エンジン関連の保証も受けられなくなります。

それくらい危険なことなのです。

具体的にどこがどのように危険なのかは、この場ではお答えできませんが。

当社でも、ブーストアップ車に関しては全く責任が持てないので、オイル交換をお断りしたいというのが本音です。

しかし、ブーストアップしたお客様の話を聞いてみると、皆、チューニングしたショップさんから、「オイル粘度を上げてください。」とのアドバイスは一切なかった、 と口を揃えて言ってきます。

これは、とんでもないことです。

ブーストアップしたら、超高価なオイルであっても5W40は最低でも必要で、一般的なオイルであれば10W50くらいは必要となります。

ところが、お客様にはそのような感覚が一切ないので(というかブーストアップのリスクを一切聞かされていなので)、純正よりもはるかに柔らかい国産規格の5W30を平気で使用していたり、次はエステル系のオイルで0W20を入れたい!などと言って来る方もおられます。

このような現状を私は大変危惧しています。

ここではっきり申し上げます。

ブーストアップ車には、最低でも5W40、できれば10W50を入れてください!

また、当社でオイル交換する方は、ブーストアップしている場合は、必ず「ブーストアップしているよ」とご申告ください。

ブーストアップしている事をご申告頂かないと、私はノーマルだと思ってしまいますので、ノーマルで極力パワーを出してあげようと柔らかめの粘度を選んでしまいます。それによってエンジンが壊れてしまうか、壊れないまでもピストンやメタル、タービンに深刻なダメージを与えてしまうでしょう。

 

 

 

市販のオイル添加剤は入れた方が良いのでしょうか?

 巷では、星の数ほどのオイル添加剤が出回っています。果たしてこれらは入れた方が良いのでしょうか?

私の意見は、NO です。

私も若かりし頃は、いろいろとオイル添加剤を入れたものでしたが、本物のオイルを知ってしまった今となっては、どれも今一つと言えます。

確かに入れた直後はそれなりにある程度の効果はあるのですが、問題は耐久性です。

大体1000〜2000km後には、効果が感じられなくなっていました。

さらに良くないのは、そのオイル添加剤自体が磨り潰されたり焦げたりして、スラッジになってしまう事です。

オイル交換で抜いたオイルを見ると、オイル添加剤を入れた場合の方が黒くなっている傾向が見られました。

”一度入れればピストンリングとシリンダーに強固な被膜が形成されて、それがオイル交換しても落ちずに10万kmも持ちます。” 

などと謳っている商品がありますが、そんなおいしい話がある筈がありません。

当社取り扱いのオイルは、スタンダードなアッシュVFS以外は、全て多かれ少なかれ性能を追求しているので、最初から摩擦低減剤が入っています。そのため、後からオイル添加剤を入れると摩擦低減剤同士がチャンポンとなり、期待した性能が発揮されないどころか、逆に悪影響を与えてしまう可能性が高くなります。

アッシュVFS以外は、オイル添加剤を絶対入れない様、ご注意ください。

なお、オイル添加剤には、オイル漏れを止めるためのもの、もあります。

これも高性能オイルに入れると、添加剤同士がケンカしてしまいますので、当社ではスタンダードなオイルに切り替えて使っています。

つまり、

”高性能なオイルには何も加えるな”

ということを知っておいてください。

 

 

 

オイルのブレンドはしてよいのでしょうか?

オイルのブレンドは以下の2通りがかあります。

①同一銘柄の粘度違いをブレンドして希望の粘度を作る。

②違う銘柄同士をブレンドする。

①については、大体のオイルで問題ないと思われます。

ただし、粘度違いで使っている成分がガラッと変わる銘柄もあり、その場合はブレンドによって性能が低下する場合があります。

当社取扱いのオイルは、その点についてメーカーに確認を取っていますので、ご安心ください。

 一般のお客様がメーカーに確認を取るのは難しいと思いますので、ご自身で行う場合はあくまで自己責任ということになりますが、大半のオイルで問題ないと思われます。

②については、大問題が発生する可能性がありますので、絶対に行わないでください。配合されている添加剤同士が化学変化を起こしてしまい、固まってしまう例も報告されています。そこまでいかなかったとしても、期待したほどの性能が出ないでしょう。

ただし例外もあり、メーカーが積極的に推奨しているオイルの組み合わせも、わずかですが存在します。

 

代表例としては、アッシュFSEの添加剤的ブレンドです。

 

アッシュFSEは成分がエステル100%の一風変わった超高級オイルで、アッシュのメーカー自身が他のアッシュのオイルに添加剤として積極的に混ぜて使ってください!と推奨しています。

 

当社ではアッシュFSEをアッシュVFSに10〜30%ブレンドして、低価格で高性能なオイルをご提供しています。

 

 

 

オイル漏れしたらどう対処すべきか?

 輸入車を10年、8万kmくらい乗ると、オイルにじみやオイル漏れが発生してきます。

その対処法としては、以下の順番に行うのが有効と思われます。

①ワコーズのクイックフィックスをスプレーし、外から漏れを止める。

②VHVI系のオイルに変更し、粘度を上げる。

③鉱物系のオイルに変更し、粘度を上げる。

④オイルに漏れ止め剤を添加する。

⑤オイル漏れ箇所の部品を交換する。

なお、BMWによくあるオイルフィルターブロックからのオイル漏れのように、工賃込みで2万円以下で直ってしまうようなものであれば、真っ先に部品交換するのが正しいと思います。

しかし、大体の場合、工賃込み10万円コースとなりますので、部品交換は車の残り寿命と相談しながら実施してゆくべきと考えております。

 

①ワコーズのクイックフィックスをスプレーし、外から漏れを止める。

 

QUICK_FIX_200.JPG

2017年に発売された新製品で、オイルパンやチェーンケースなどのパッキンや液状ガスケットからのオイル漏れを外からスプレーして固めて止めるものです。

効果は2年ほど続くそうですが、必ず2年という訳ではなく、どれだけ完全に脱脂して施工できたか、漏れ穴が大きくないか、などによって耐久性は左右されます。

オイルに混ぜるタイプの漏れ止め剤は、エンジン内に大量のスラッジを固着させてしまいますので、なるべく避けたいところです。

回転部分のオイルシールには全く効き目がありませんが、パッキンや液状ガスケットからのオイル漏れの場合は、まずこれを施工してみるのも手です。

料金は、オイル漏れ清掃、脱脂作業も込みで、7000円(税別)です。漏れ範囲が広い場合は、2本必要になります。2本目は3000円(税別)です。

 

 

②VHVI系のオイルに変更し、粘度を上げる。

PAO&エステル100%の超高性能オイルを入れている方の場合、純正より大幅に粘度を下げて性能を引き出しているので、過走行、高車齢になると、オイル漏れが発生しやすくなります。

かといって、PAO&エステル100%で純正並みの粘度にしてしまうと、油膜が厚くなり過ぎてしまい、滑らかだけど重たいフィーリングになってしまいます。高いコストを払っているのに、逆に重たくなってしまうなんて、本末転倒ですね。

そこで、粘度を上げる場合は、純正と同じ成分であるVHVIベースのオイルに切り替えます。

性能は大幅に低下しますが、PAO&エステル100%で粘度を上げた場合より油膜が薄くなるので、多少軽く回ります。

なお、VHVIでは物足りない場合、PAO&エステルを30%以内であればブレンドしても問題ありません。

オイル漏れが確認された場合、まず10W40くらいに粘度を上げますが、漏れが酷い場合、最大で15W50まで粘度を上げることができます。

ただし、かなり重くなってしまう事はご了承ください。

 

 

③鉱物系のオイルに変更し、粘度を上げる。

高粘度の鉱物系オイルは、 オイル漏れを止めるのには有効です。

VHVIオイルでも止まらないようなオイル漏れの場合は、鉱物系オイルを使用した方が良いでしょう。

ただしVHVIより更に油膜強度が弱いため、

  ・耐久性が短い。

  ・エンジンの回り方が重くなる。

の欠点があります。

IMG_PSE_200.JPG

そこで当社では、鉱物オイルにエステルを添加したアッシュPSEを使用し、それらの欠点を補っています。

 

これまで当社で8年間使用してきましたが、同じ粘度であれば明らかにVHVIベースのオイルよりもオイル漏れが止まります。

エンジンフィーリングは、エステルが入っているので非常に滑らかで、決して軽くはありませんが、ずっしりとしていて心地良い感じです。

パワー感は、高粘度を使用するため純正オイルより明らかに劣り、量販店の5W40〜10W50と同じくらいです。

粘度は15W50の1種類です。

漏れ止め剤はエンジンを汚してしまいますので、極力使いたくありません。

当社では、ひどいオイル漏れでない限り、極力高粘度のPSEで対応しております。

 

 

④オイルに漏れ止め剤を添加する。
漏れ止め3種_495.JPG

アッシュPSEでも止まらないようなひどいオイル漏れの場合は、いよいよ漏れ止め剤の出番となります。

当社では3種類使用していますが、画像の右に行くほど漏れ止め効果が高くなります。(リズロンは現在使用しておりません。)

ただしコストも上がります。

漏れ止め剤はオイル交換の度に入れる必要があります。

なお、6気筒ではオイル容量が6.5Lなので、2本投入します。意外とコストがかかります。

ワコーズパワーシールド: 2800円(税別)

最も広く出回っている漏れ止め剤です。ゴムを膨潤させて漏れを止めるタイプなので、Oリング等からの漏れには良く効きます。

プラス91: 7000円(税別) 

これも超有名な漏れ止め剤です。空冷ポルシェでは定番品らしいです。

当社でも10台くらい使用しましたが、リヤシールとバキュームポンプ以外は、ほとんど止まりました。

リキロンというフッ素の粒子が穴を埋めるとの事。

フッ素粒子は個体潤滑材でもあるので、エンジンフィーリングも若干上がります。

またシールを膨潤させるタイプではないので、強力でありながら副作用も少ないと思われます。

つまり、かなり優秀な漏れ止め剤です。

問題はコストです。

使い続けると、修理した方が安かった、なんてことになる場合もあります。

 

 

⑤オイル漏れ箇所の部品を交換する。

車齢が若いうちのオイル漏れでは、多少金額が張っても部品交換するべきでしょう。

しかし高車齢になってからのオイル漏れは、エンジン全体のオイルシールが全て劣化している訳ですから、例えその箇所を直しても次から次へととオイル漏れしてくる可能性があります。

高車齢でオイル漏れが始まったら、そろそろ寿命だと思った方がよいでしょう。

これを自覚した方が修理につぎ込む損害額が少なくて済みます。

高車齢の場合は、部品交換は極力避けて、オイルの銘柄変更やオイル漏れ止め剤の投入、箇所によってはクイックフィックス施工によって、最小限のコストで延命措置を講ずるのが賢明だと考えます

 

 

 

 

 

何故、エンジンオイルだけでこんなにもパワーUPフィーリングUPするのか

 当社のオイルでなくても3500円/L以上のオイルを入れると、交換直後は感動するほど性能アップしますよね。(ただし純正より粘度を上げてしまった場合は逆に重くなりますが。)

なぜ、オイルだけでこんなにも性能アップするのでしょうか?

私の意見は、 ”上がるに決まっているでしょ!” です。

エンジンは自動車の中で最も摩擦損失の大きい箇所です。

その巨大な摩擦損失が少しでも減れば、劇的な性能アップが感じられるのです。

私は自動車メーカーで10年以上エンジン開発に携わり、さらに学生時代は3年間ピストンリングの油膜の研究を行ってきました。

既にエンジン開発から離れて15年以上になりますが、基本的な所は今も当時と変わらないと思いますので、この点について詳しく解説させて頂きます。

 

高性能オイルでパワーアップやフィーリングアップする理由は、主に2つあります。

 

1.油膜が切れかかっている箇所の潤滑が劇的に改善する。

 エンジンの潤滑は、残念ながら未だに完全ではありません。完全な潤滑を達成できているエンジンは存在しません。

完全な潤滑とは、擦れ合う部分に十分な厚さの油膜が保持され、金属同士が一切接触しない状態であり、これを流体潤滑と呼んでいます。

流体潤滑の摩擦力は非常に小さく、摩耗も全く起こりません。

しかし、エンジンの中には、主に2カ所この流体潤滑が成立していない箇所があります。

一つ目は上死点でのトップリングの潤滑です。

 ピストンリングは、上からトップリング、セカンドリング、オイルリングと3つあります。これらにはコンロッドのオイル穴からシリンダ目がけてオイルを噴き出して潤滑しているのですが(オイルジェット)、上のリングに行くに従ってオイルが掻き落とされ、トップリングに至るころにはわずかなオイルしか供給されていません。これはオイル消費の観点から仕方ない現象で、もしトップリングにまでジャバジャバにオイルを供給したら、膨張行程でもぶ厚い油膜がシリンダ壁に残り、燃焼の火炎にさらされて燃えてしまい、大量の白煙を吹き出してしまうからです。これでは環境に悪いだけでなく、たったの100km走っただけでオイルを1L消費するといった、とんでもない状態になります。

 トップリングがオイル供給不足と言っても、ピストンがある程度早く動いている行程では、慣性力で油膜が形成され、完全ではないものの流体潤滑に近い状態で潤滑できています。しかし上死点ではピストン速度が一瞬ゼロになるため、慣性力がなくなり油膜が非常に薄くなります。ここが最大の問題個所となります。ここでは流体潤滑と金属接触の中間の状態となっていると考えられ、摩擦が非常に大きく、金属摩耗も多く進んで行きます(境界潤滑)。10万km走ったエンジンをバラしてみると、シリンダのトップリング上死点位置だけ、異常に摩耗していることがわかります。

高性能オイルに含まれるエステルは、ここに作用すると考えられています。エステルは電気的に金属に吸着するので、例えこの箇所で油膜が切れても、金属接触にまで至らない確率が高くなるのです。

エステル入りオイルで、劇的にトルク感や滑らかさが上がるのは、このためだと思われます。

なぜ、”思われる”とか、言葉を濁しているかというと、この部分の潤滑はまだ完全に解明されていないからです。

私は、学生時代にこの部分の油膜厚さをレーザーで可視化する研究を行っていました。当時はマサチューセッツ大学やトヨタの研究所等、いくつかの研究機関が積極的に研究していました。当時、油膜厚さの傾向だけはある程度つかめているかに見えましたが、未だに100%完全解明までは至っていないようです。

2つ目は、カムとタペットの潤滑です。

この箇所も、境界潤滑と言われています。カム山がタペットをこじりながら回転しているので、極圧が非常に高く、実は境界潤滑どころか、わずかながら金属接触していると考えられています。もちろん摩耗は非常に多く、昔のエンジンが定期的にタペット調整しなければならなかったのはこのためです。現在は油圧ラッシュアジャスターが使われていますので、摩耗してもクリアランスゼロにできるため、タペット音が出ることはなくなりました。しかし、巨大な摩擦があることに変わりありません。 ...続く。

 

 

 

 

 

 

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